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05 May

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01 June

チューイングガムの日

「ナル。ガム食べない?」
「いらない」
「今日は、チューイングガムの日だって知ってた?」
「しらない」
「1月1日と6月1日に、硬いお餅を食べると健康にいいんだって。
お餅の代わりに、今はガムを食べるといいよってことで、チューイングガムの日なんだってさ」

クチャクチャとガムを噛みながら言う麻衣に、顔を顰める。

「麻衣」
「何?噛みたくなったの。ガム」

あげるよと言って、差し出されたガムを受け取らず、思っていたことを口にする。

「臭い」
「へ?」
「タバコ臭い」
「え!あぁ、ぼーさんと一緒にいたからね。そんなに臭うかな」

クンクンと腕の辺りを嗅ぐ麻衣の姿に呆れて、溜息を付く。

「髪の毛から臭うんだ」
「おぉ、髪の毛か。ごめん、今、スプレーしてくる」

麻衣のロッカーがある給湯室へと脚を向けた彼女に、不快な気持ちを隠すことなく眉間に皺を寄せる。

「そんなに、険しい顔してなくてもいいじゃない。ほんの少し坊主の傍にいただけなんだから」

ソファに座っていた松崎さんが、立っているこちらを見上げて話しかけてくる。
目線だけで相手を一瞥した僕から何を思ったのか、小さく笑って言葉を続けた。

「坊主だって、気を遣って事務所では吸ってないでしょう。
わざわざ外に出て吸ってるところに麻衣が顔を出しただけじゃない。
麻衣だって、アンタを気遣って、消臭スプレーまで常備しているのよ。
他の男の移り香を貰ってくるなってことなら、黙って睨んでないで、直接、麻衣に言うのね」

言い切ったとばかりに、やや興奮した表情を浮かべている相手に、眉間の皺を緩め冷やかに告げる。

「御託は、それだけですか」
「あら、ずいぶん難しい言葉を使えるようになったのね。ナル」

これ以上の相手をすることなく、所長室へと戻ろうとしたところに、麻衣が給湯室から顔を出した。

「もう、臭わないと思うけど、どうかな」
「あたしは全然、気にしないわよ」
「ナルは?」

問われた言葉を無視するカタチで、黙ったまま開けた扉を背中で閉める。
ひっそりとした静寂に包まれた室内で、モヤモヤとした気持ちを持て余したまま、立ち上げたパソコンへと指を伸ばした。


☆   ★   ☆


「綾子ってば、出会ったときはタバコを吸っていたくせに、今では、タバコなんて吸わないわよ。お肌に悪いものなんで言うんだよ。あたしにも副流煙には気を付けなさいって言ってくるし、ねぇ、ナル、聞いてる?」

ソファに座った僕の横で、彼女が今日のことを陽気に話しかけてくる。
本を手にした僕の現状を理解しているだろうに、一向に、彼女のお喋りは止まらない。
普段なら、こうして何も反応せずにいれば、そのうち黙り込み、大人しく傍でテレビなどを見たりするのだが、今日は、執拗に話しかけてくる。

まるで、沈黙が怖いかのように。

「麻衣」
「ナル、それでね」

まだ話そうとする彼女の腕を掴む。

「どうしたの」
「風呂に入ってこい」
「なんで?今日は帰るよ」
「髪も洗え」
「だから、」

言い返そうとした麻衣の口が、大きく開いたままになっている。
しばし、沈黙が流れた後、麻衣が頬を染めて頷いた。

「う、うん。じゃあ、お風呂借りるね」

ズリ落ちるように麻衣がソファから離れると、掴んでいた僕の腕もそちらに引っ張られる。

「ナル。手を放してくれないと、お風呂を沸かせないよ」

視線をこちらに向けることなく、麻衣が力なく言う。

「後で入ればいい」
「今、入ってこいって言ったのに」
「気が変わった」
「ナル!」

彼女が、大声で僕の名を呼ぶ。
その名前を、もっと違う声音で呼んで欲しくて手を伸ばす。

「ここじゃ、やだ」
「どこでも、変わらない」
「変わるよ、だって」
「明るいのが気になるなら、目を瞑っていろ」
「勝手なことばかり言って」

るんじゃないと続くはずだった言葉を、手と口で黙らせる。

「ん、…ふ…ぅぁ…、…なるぅ」

口元を濡らす唾液はどちらのものか。
熱い吐息を孕んだ声で名を呼ばれて、ゾクゾクとした痺れが尾てい骨から背筋を這い登り脳に到達する。
ほっそりとした白い腕を、こちらへと伸ばす麻衣を抱きとめて、僕だけが知っている彼女を気が済むまで堪能した。




6/1の今日は、チューイングガムの日たど、朝、会社で聞いたときから、思いついたネタ。
次回のイベント用に書いている話にリンクして、思わず、帰宅後に書き綴ってました。

この話、ぼー麻衣好きの友人に、ぼー麻衣で書いてと言われて、思いついたネタが元になってます。
私には、とてもぼー麻衣は書けない。
父と娘なら書けるけれど、それ以上の関係は無理。
こんなアツアツのぼー麻衣を書いてやったぜ!と友人に読ませても、ヌルイよ。これ、ぬるま湯なんじゃないのと言われそうです。
私には熱湯にも感じる熱さなのに。

まぁ、発行するかは、まだまだPCに寝かせておいて、調査モドキ本を頑張って仕上げたいと思います。
イベント受かったら、どっちか本が出てるといいなぁ。
落ちたら、別ジャンルで本出そうと思ってます。

今月の結果次第で、どうとでもできるように、心の準備をしておかなくては。

当落結果が、今から待ち遠しいですが、4.5月から続いている仕事が、9月まで超大変なことが発覚して、このまま萌えを書き綴れるのか、本気で、ヤバイ状況に陥りそう。

暇すぎるのも嫌だけど、忙しすぎて、何も考えられなくなるのも嫌だ!
適度に時間が取れる仕事に就きたいです。

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